2011年2月2日水曜日

「無名」 沢木耕太郎


by Eiji.K

◇ 作者の父親の思い出を綴っているが、自分の子供の時や青年期の思い出でを語っている面もある。

◇ この本を読むと、私の父親のことを思い出し、比較してしまうことが多かった。

◇ “子供は親のことなどほとんど知らないまま見送る時を迎える。”とあるが、確かに自分の父親のことは父親の幼年期や戦争体験、父親の親のことなどほとんど知らないまま見送っている。
では、自分の息子達に自分のことを知らせてきたかを考えると、ほとんど知らせてはいないと思う。普通の親は、知らせる機会がなく、あえて知らせることは気恥ずかしい気がする。

◇ なお、自分の母親のことでは、それなりに話すことが多かったように思う。(長生きしていることにもよる。)

◇ この小説では、父親は畏怖する存在として親に対するこども(息子)の思いが、思い出を通して色々な場面で書かれている。
このような存在である親は、こどもにとって、ある種の理想像であると思われるが、現代における父親と子の関係をどのようにしていけばよいのかを考えさせられる。

◇ 個人的な父親の思い出
・映画に連れて行かれたこと。 ・家に倉庫を独力で作ったこと。
・川をおんぶされ泳いだこと。 ・勉強しろと言われたことがないこと。
・怒られた記憶がないこと。  ・釣りに連れて行かれたこと。
・仕事のオートバイに乗せられたこと。・父と争ったことがないこと。
・病気のこと。

以上

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