2018年7月4日水曜日

「すてきな詩をどうぞ」 川崎洋

2018/7/4
By Eiji.K

◇ 当方にとって、詩を読む力がなく、詩は理解不能の分野であったが、この本を読んでその理由の一端が分かったような気がする。

◇ 理由は次の3点である。
 <1点目>
  最後に出てくる井伏鱒二の「歳末閑居」の内容は、解説にあるとおり、この詩が書かれた時代背景、作者の心境、境遇等が分からないと詩に書かれた内容を理解することはできないことが分かる。言い換えれば、その詩を分かるためにはその作者(詩人)の考え方、思想、感情、生い立ち、状況等を把握する必要があり、もっと言えばその作者(詩人)の他の作品も読んでいないと正確な理解を得ることはできないと思われること。
 <2点目>
  読者は、その作品が書かれたその時、その場の作者の感情を感じ取ることが求められるが、それは同じ感情移入を求められるような感覚になり、むしろ反発を感じることにもなる。感情移入を強制されるような気分になること。(考えすぎか。?)
 <3点目>
  数行か数十行で何かを表現することの限界を感じること。
  俳句や短歌はもっと短いのでさらに難しいことを感じる。

◇ 読書会で昨年1月に読んだ「木を植えた人」(ジャン・ジオン)の寓話は、あのぐらいの量の散文であれば、中に入っていけるし、また、分野は違うが、宮崎駿のアニメ作品や一昨年の映画「君の名は」のような数時間の間、視覚でみるロマン作品等は感情移入が可能である。
しかしながら、詩を読むことは、上記に書いたようにその背景を理解することが必要であり、詩を読む技術を習得することは私にとって、かなり難しいと思われる。