2010年4月28日水曜日

新・陰翳礼賛

新・陰翳礼讃(作者:石井幹子)
平成22年4月7日(水)
by EK

<作者の作品集>
○善光寺五色のライトアップ、○横浜三渓園のあかり夢幻能、○白川郷の月あかり
○赤坂のスペースカプセル、○萩市民館、○大阪万博、○沖縄海洋博
○サウジアラビア迎賓館、○ライトアップキャラバン(全国)
○横浜ライトアップフェスティバル、○東京駅レンガ駅舎、○ベイブリッジ、○東京タワー
○宮城県立こども病院、○函館夜景整備計画、○レインボーブリッジ、○明石海峡大橋
○善通寺市、○浅草寺、○筑波科学技術博、○花と緑の博覧会、○愛・地球博
○倉敷美観地区、○横浜グランモール広場、○世界淡水魚園

<作者の立場>
■ 西洋文化=二極化文化(白:黒、光:闇、神:悪魔)
■ 日本文化=陰翳の美(理想の光は満月の夜)
◎ 「光」と「闇」の中間領域=「あかり」の追求
◎ 「ほのあかり」の必要…物も人も美しく見える。(消費するエネルギーも少なくてすむ。)

<暮らしの中の明かりの考え方>
■ 北欧………全体にほの暗い 蛍光灯を裸で付けているところは皆無
■ アメリカ…日本のような肩書文化(名刺等)はないので、住み手の財力や教養を具体的に示すには、素敵なインテリアや照明のある美しい家に住むことが不可欠
○ 住まいの中の快適な明るさ⇒50ルックスあれば充分
○ 午前…高照度、午後…中照度、夜…低照度が自然のリズム=人間にとって快適
◎ 人類は何万年も昼は昼らしく、夜は夜らしく過ごしてきた。夜は暗みに順応することを欲している。

<部屋単位の照明の決め方>
○ 寛ぎの居間・寝室…暗め 間接照明使用(スタンドランプ等)
○ 機能優先の台所…明るく
○ 食卓…直接光が当たるようにする(食べ物が引き立つ)
○ トイレ・浴室…調光装置を付ける
○ 蛍光灯…白色・クール色→電球色に統一する
◎ 天井や壁に固定する照明器具は数を少なくし、スタンドの明りを楽しむ。
季節や来客に合わせて照明を変えることは、生活の中に気持ちのよい変化を付けることになる。(小型のスタンドランプを揃えておく。)
<オフィス照明>
○ タスク(仕事をするための照明…人の嗜好や内容に合わせて調整する)&アンビエント(室内の雰囲気を作る照明)照明が世界のすう勢
○ 日本は隈なく照らす蛍光灯の一律照明

<レストラン照明>
○ テーブルはステージ照明であるが、ずれているところが多い。

<スポーツ照明>
○ 選手が舞台でプレーする劇場照明が必要。

<その他>
○ 戦後の蛍光灯の発売以降、現代は明暗の濃淡がない明るさになっている。

<参考>
○ 乾正雄著(建築家、東京工業大学名誉教授)「夜は暗くていけないか」
○ 照明は蛍光灯の均一光ではなく、不均一にすることがよい。(天井に光を置くのではなく、壁に光を置く)


<参考>                      

・東上線の電車内(曇り):390Lux
・池袋デパート食料品売り場:800Lux
・コンビニ:1020Lux