2011年7月6日水曜日

「日本語と日本人」  司馬遼太郎


日本語のルーツは、日本人がどこから来たかと、文化はどこから伝えられたかに依存し、定説はなく、周辺諸国から複数の波が押し寄せてきた結果である。
少数の天才と書き言葉から、日本語は方言から変化してきた。

<井上ひさし・好子>  作家  「吉里吉里人」
・世界の中の日本人より東北人
・国民はフィクション、住民

<大野(おおの)晋(すすむ)> 国語学教授  「日本語の起源」
・日本は島国、農業国、温和で暮らしやすい、「うち」と「そと」に分ける。
・うちの中では言葉はいらない。
・ヨーロッパ=遊牧民=人間の出会い、日本=土着=言葉がいらない
・縄文時代は南方語、弥生時代は北方語
・関西の発音が日本語の元祖、母音が多い、関東は母音を落とす
・玄界灘一つが日本文化のすべてを決定的にしている。(中国化が朝鮮で止まった)

<徳川(とくがわ)宗賢(むねまさ)> 言語学教授  「日本語の世界」
・日本語は開音節(母音で終わる)
・五母音に統一された。(元は三母音、八母音?) 米=クミ、雲=クム
・関東:一年生、教務係、係長、関西:一回生、教務掛、掛長
・文字言葉が言語をコントロールする。(話し言葉に影響する)
・日本語は方言の中から育ってきた。

<多田(ただ)道(みち)太郎(たろう)>  人文科学研究所教授 「しぐさの日本文化」
・室町時代の瑣末主義からできた礼儀(小笠原式礼法)
・普遍的原理ができあがるのは、言葉が通じない、人情も違う、文化性が違うことから。
・日本には文化は起こっても、文明が起こらない。

<赤尾(あかお)兜子(とうし)> 俳人 司馬遼太郎の大阪外語専門学校同期
・和歌は全部ひらがな、俳句は目で読む詩で漢語を使う。
・夏目漱石は恋愛から外交まで論じられる文章を完成させた。
・正岡子規も漢語の少ない平易な文章をつくりあげた。

<松原(まつばら)正毅(まさたけ)> 国立民族館博物館名誉教授 遊牧社会論
・日本語の源流は複数
・稲作文化と日本語
・弥生中期の鹿卜(きぼく)・亀卜から北の方から来た
・竹、絹、茶など照葉樹林文化の江南・雲南から来た
・関東は子音を発音できる人がいた。(渡来人)薬=ksri kusuri
・韻を踏まない日本の詩(谷間でのつぶやき)

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