2011年10月5日水曜日

「父の詫び状」 向田邦子

                  by Eiji.K    

○ 「あとがき」を読んでこの本を書いた意味がわかった。
○ 子どもの頃を中心に家族の思い出を書きたかったと思われる。
○ 文体にユーモアがあることがこの本の良さであり、優れているところである。
○ 子どもの頃の思い出を些細なことまで覚えていられることが不思議である。
普通の人はここまで記憶していることは難しいと思われる。創作部分もあるのではないかと疑ってしまう。
○ 男性の感覚では無理であるが、女性の立場では記憶できる幅が異なるのかとも思う。 

◇ 「父の詫び状」
昭和30年代以前の父権が強かった時代の日常風景
◇ 「身体髪膚」
子ども時代の兄弟を含めた怪我の話
◇ 「隣の神様」
引き出物を直ぐに見ること、父の死に顔に豆絞りの手拭いを掛けたこと、隣の神様を拝むのに7年かかったこと等。
◇ 「記念写真」
現在のデジカメ写真は1風景を何枚とっても後で選択できるが、昔の写真の貴重さを考えると便利さで失うものが多いことに気が付く。
◇ 「お辞儀」
家族のいるところで自分もお辞儀をしたのは、葬儀と結婚式の時である。
◇ 「子供たちの夜」
テレビのない時代は、夜は長く静かであった。
◇ 「細長い海」
最近は、プールがあるせいか家族で海に行く機会がなくなっている。
◇ 「ごはん」
“どんなに好きなものでも、気持ちが晴れなければおいしくない。”
◇ 「お軽勘平」
正月の風景と初めて見た猿芝居
◇ 「あだ桜」
お伽話と祖母の影響
◇ 「車中の皆様」
タクシードライバーとの会話

◇ 「ねずみ花火」
遭遇した死者との思いで話
◇ 「チーコとグランデ」
食品の大小を比べてしまう習い性
◇ 「海苔巻きの端っこ」
端や隅っこでないと落ち着かないという習性
◇ 「学生アイス」
学生アルバイトでアイスクリームを売っていた話
◇ 「魚の眼は泪」
魚の眼の話
◇ 「隣の匂い」
Tは田中角栄か
◇ 「兎と亀」
ペルーでのお正月、澤地女子
◇ 「お八つの時間」
お八つの思い出
◇ 「我が拾遺集」
落し物の話
◇ 「昔カレー」
カレーは子どもの好物であり、様々な思い出と共にある。
◇ 「鼻筋紳士録」
鼻筋の通った人とそうでない人を分類する癖
◇ 「薩摩揚」
10~13歳の鹿児島県の印象
◇ 「卵とわたし」
卵にまつわる思い出

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