2008年12月3日水曜日

「フィンランド 豊かさのメソッド」

 necoの読書会 (2008年11月5日)
 「フィンランド 豊かさのメソッド」
                著者 堀内都喜子  集英社新書

ナビゲーター:市川 勤

<フィンランドとはどんな国?>
・ スウェーデンとロシアにはさまれた、北欧の国
・ 人口 5百万人、面積 日本-九州(国土の70%は森林、10%は湖)
・ 主要産業 ①森林業 ②金属・エンジニアリング ③情報・通信技術(ICT)
<フィンランドがなぜ注目されるのか>
・ 労働時間は短く、労働生産性が高い。
・ 高い国際競争力(2001~2004年1位、2007年6位)、ノキアなどの有力企業が存在。
・ 学習到達度調査(PISA)で世界一。(年間学習時間は600時間台で日本より少ない)
・ 高福祉、高負担(食品で17%、他は22%の消費税、所得税20~30%)
<フィンランドのバブル崩壊からの復活>
・ 1990年代はじめ 経済危機(不動産価格暴落、銀行危機、失業率20%、住宅ローン14%)
・ 数年で復活した原動力:銀行の改革・再生、IT産業振興、人材への投資(教育制度改革)
・ 予算の重点配分:産学官連携の研究、重点投資と節約

<学力1位のフィンランド方式>
・ 少人数のクラス編成、ボランティアによる教室サポート
・ 教師という職業の社会的地位が高い(質の高い教師)
・ 特別授業でおちこぼれを出さないようにしている。(平均値が高い)
・ 授業料ゼロと学生への生活援助
<税金で支えられた手厚い社会>
・ 納得の教育、医療、福祉サービスや子育て支援(養育手当)
・ 夫婦共働きが普通、年齢より実力主義
<フィンランド文化>
・ スポーツ好き(時間の余裕、施設の充実、スポーツクラブ)
・ 家でも何でも自分で作る(お金と時間のトレードオフ)
・ 森の豊かさ(国の保護と全ての森に、いつでも自由に入る権利の保障)

<日本はフィンランドから何を学ぶべきか!>
・ 人への投資 → 教育(小中高生の読解力・文章力の強化プロジェクト)
学生優遇、子どもの養育手当、大学の授業料は無料
・ 優先順位の見直し → 労働時間は短く、機会は均等に但し、選別は厳格に
便利さより休暇(不自由を楽しむ)
森林を守る厳しい法律と森に自由に出入りする権利の保障
・ 社会保障制度の充実 → 高負担だが、老後のお金を貯めなくても済む社会
・ 税金使途はガラス張り → 高負担だが目に見える形で生活に還元

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